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1.なぜ経営計画書が必要なのか

2.「社員向け経営計画書」策定実行プログラム4つの特長

3.経営計画書と定着化活動の内容

4.そもそもやる気とは

5.従業員がやる気になる2つのライン

6.大きな会社と小さな会社の違いを知る

7.強い縦のラインの作り方

 

強い縦のラインの作り方

では、具体的に縦のラインのつくり方を考えていきましょう。

<経営計画書を作成する>

縦のラインは「共通目的」と「コミュニケーション」から成り立ちますが、まず「共通目的」をつくることが肝心です。会社における共通目的とは、会社の目指すビジョンや方針のことです。そして、会社の目指すビジョンや方針は、従業員や社会から共感を得られる内容でなければなりません。ただし、資本主義社会において、会社がどれだけ従業員や社会に役立つ活動を行うといっても、利益が出なければ従業員に満足に給料を払えないばかりでなく、新たな商品やサービスを生み出す投資活動も行えず、商品やサービスの質の低下を招きやがて廃業という道筋をたどることになりますので、会社として十分な利益を確保することが前提となります。  
すばらしい経営理念を掲げているにもかかわらず、従業員が「うちの会社は儲けることしか考えていない」、「利益優先で息苦しい」などと不満を漏らすような会社があるとすれば、それは経営者が従業員に対し経営理念やビジョンを十分に伝えきれていないことが原因です。加えて、経営者自身がしっかり意識できていないのかも知れません。儲けや利益は会社存続の絶対条件ですが、その儲けや利益の在り方が問題なのです。従業員もそれはちゃんと理解しています。それにもかかわらず、従業員からそのような発言が出るとすれば、それは十分に説明してくれない経営者に不満を持っていると考えなければなりません。従業員は会社のことをもっと「知りたい」と思っているのです。

ビジョンや方針を明確にするためには、それらを文書にして従業員に明示することが必要です。口頭だけで伝えきれませんし聞くだけではすぐ忘れてしまします。そこで、経営マニュアルを完備することが必要です。経営計画書は下記のような内容で作成します。しかし、小さな会社ではほとんど作成されていません。大企業では経営計画の策定を専門に担当する部門があり、経営陣と調整しながら経営計画書を作成しますが、中小企業では社長自らが作成しなければならないのが現状で、経営者はあらゆる業務を兼務しているため、忙しくて作成する時間がないというのが最大の理由になっています。しかし、これでは会社の成長発展は望めません。経営は経営計画の策定に専念し実務は従業員が実行するのが理想の会社組織です。その理想の会社組織に近づくためには経営者は何としてでも経営計画書を作成しなければなりません。

 一般的に小さな会社の経営者は、プレイヤーを兼務しているか若しくは今までプレイヤーを兼務してきたため、ビジョンや方針を頭の中でイメージとして持っている場合が多く計画書としてまとめるのは苦手です。そして、いざ作成に着手してみると、経営者として考えなければならない事項の多さに気付くはずです。即ち経営計画書は、従業員のためではなく経営者のために作成しなければものなのです。経営計画書を作成するということは、しっかりした経営者への第一歩を踏み出すことになるのです。

<経営計画書記載項目の例>

     1.組織図、社員一覧         8.製品・サービス戦略
     2.経営理念             9. 市場戦略
     3.行動指針            10.部門別戦略
     4.トップメッセージ        11.競争戦略
     5.長期事業計画          12.クレーム対応
     6.今期の事業計画         13.人財戦略
     7.今期の全社施策         14.年間行事予定

 

<経営計画書の定着活動>

 「共通目的」である経営計画書が完成したら、次は従業員への定着活動です。定着活動とはコミュニケーション活動のことであり、実はこのコミュニケーション活動こそが最も難しい組織活動となります。コミュニケーション活動は、いわば人と人との心の問題です。人の心は生き物であり、絶えず変化しています。また、人の入れ替わりも発生します。従って、コミュニケーション活動に終わりは無く、会社が存続する限り永遠に継続して取り組んでいかなければなりません。コミュニケーション活動の最大の目的は、経営者と従業員のベクトルを合わせることです。具体的にいうと、会社の方針やルールを従業員に説明して了解してもらうことです。会社の方針やルールは経営計画書に示しますので、経営計画書の内容を説明し了解してもらうという活動になります。
 
 もう少し簡単に考えてみましょう。そもそも、コミュニケーション活動とは人と人との会話の量と捉えることができます。業績の良い会社は社員間での会話が多く、業績の悪い会社は社員間での会話が少ないはずです。従業員が会社の方針やルールを理解し仕事に前向きな社員同士が会話をすれば当然会話が進み、仕事の会話が進めば私生活の話についても自然と会話が進みます。しかし、会社に不満を持ち仕事に後向きである社員同士が話をしても、会話はすぐ途切れてしまいます。人間は自分が共感できない話はしたくないからです。そうすると、私生活の話も進まないのです。なぜなら、普通の人であれば会社は仕事をする場であると認識しているからです。あなたの会社はどうでしょうか?

 このように一筋縄ではいかない定着活動ですが、ポイントは次の2点です。
 
 1点目は、経営計画書の内容を、従業員が腹に落とし込めるレベルにまでもっていくための仕組みづくりです。具体的には、経営計画書の見える化(手帳形式やリーフレット形式)、経営者による経営計画書の発表会や勉強会の実施、経営者による定期的なメールの配信、朝礼での読み合わせや感想の発表、写経や気づき報告書の提出、部門別会議やミーティングにおける経営計画書の使用、等が考えられます。

 2点目は、全社員がコミュニケーションを図りやすくなる場を提供することです。具体的には、全員一斉による清掃の実施、全社員でのボランティアや地域貢献活動、上司と部下の面談、昼食を取りながらの懇談会、各種ミーティング、会社行事としての飲み会、経営者や上司が個人的に行う飲み会、社員旅行、等が考えられます。

 小さな会社では、難しいことは必要ありません。また、多くの取り組みを一斉に始める必要もありません。それぞれの会社に応じて優先度の高いものから実施していけば良いのです。
考えるよりも、まず始めることです。何か始めれば、会社も必ず何か変わります。

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